私が自分の歯をほとんど失ったのは、24歳の時でした。周囲の友人が華やかな社会人生活を謳歌している中、私は口の中がボロボロであることに怯え、鏡を見るたびに「やばい、人生終わった」と絶望していました。原因は、10代の頃からの不摂生と、歯医者に対する極度の恐怖心からくる放置です。1本の虫歯が痛み出しても鎮痛剤で誤魔化し、それが折れてなくなっても「まだ他にも歯があるから大丈夫」と自分に言い聞かせ続けました。しかし、ドミノ倒しのように次々と歯が崩壊し、気づけば前歯さえもなくなり、人前で話すことすら苦痛になりました。食べたいものも食べられず、柔らかいパンや麺類ばかりをすする日々は、私の心から生気を奪っていきました。そんな私がついに歯科医院の門を叩いたのは、ある日の食事中に残っていた数少ない奥歯が砕けた時でした。もう逃げ場はないと悟り、震えながら診察台に座りました。歯科医師から告げられたのは「総入れ歯に近い状態まで治療が必要です」という衝撃的な言葉でした。20代で入れ歯。その事実に最初は激しい屈辱感を感じましたが、治療が進むにつれて私の心境は変化していきました。型を取り、自分専用の歯が作られていく過程で、失われていた「口元のボリューム」が戻り、顔つきが若返っていくのが分かりました。初めて完成した義歯を装着した日の感動は、今でも忘れられません。数年ぶりに自分の口に並んだ白い歯を見た時、私は声を上げて泣きました。それまでの卑屈な思いが、一瞬で浄化されたような気がしました。もちろん、入れ歯は自分の歯と全く同じではありません。装着時の違和感や、毎晩の洗浄という手間はあります。しかし、歯がないことで社会から断絶されていたような感覚に比べれば、そんなことは些細な問題でした。私は歯を手に入れたことで、再び自信を持って仕事に応募し、友人とランチに行けるようになりました。若いのに歯がないという事実は、確かにショッキングな経験です。しかし、それを克服した今の私は、以前よりもずっと自分の体を大切にするようになりました。もし、若くして歯を失い、絶望の淵にいる人がいるなら、伝えたいです。道具を使ってでも、人工物を使ってでも、自分の機能を取り戻すことは恥ずかしいことではありません。それは自分を愛するための、最も気高く、力強い決断です。歯を治したその日から、あなたの世界の色は確実に変わり始めます。失った時間を嘆くよりも、これから手にする美味しい食事と、自由な笑顔の時間を大切にしてください。
20代で入れ歯になった私の告白