歯医者を変えたいという気持ちを、特に気まずくさせる状況の一つが「家族ぐるみで同じ歯医者にお世話になっている」というケースです。両親や兄弟、場合によっては自分の子どもまで同じ先生に診てもらっていると、自分だけがそこから離れることに強い罪悪感や、家族への申し訳なさを感じてしまうかもしれません。家族の会話の中で、その歯医者の話題が出るたびに気まずい思いをするのではないかと心配になるのも当然です。しかし、たとえ家族であっても、治療に対する感じ方や求めるものは人それぞれです。あなたにとって合わないと感じる点を、他の家族は全く気にしていないかもしれません。あなたの健康はあなた自身のものですから、家族に気兼ねして不満のある治療を受け続ける必要は全くありません。この状況を乗り越えるには、いくつかの対処法が考えられます。まず、可能であれば家族に正直に話してみることです。感情的に不満をぶつけるのではなく「私には少し治療方針が合わないみたいで」「もっとじっくり相談できる先生を探してみようと思うんだ」と、あくまで自分の問題として冷静に伝えれば、多くの場合は理解してくれるはずです。もし、直接的に伝えるのが難しい場合は、無理に打ち明ける必要もありません。自分の治療は、黙って別の医院で行えば良いのです。通院のタイミングが家族と重ならないように調整すれば、気づかれることなく転院することも可能です。また、「仕事が忙しくなって、家の近くの歯医者じゃないと通えなくなった」など、当たり障りのない理由を家族に伝えておくのも一つの手です。大切なのは、あなたがストレスなく、納得できる治療を受けられる環境を見つけることです。家族関係を気にするあまり自分の健康を後回しにしないよう、自分を一番に考えて行動する勇気を持ってください。