長年、私は自分の歯にコンプレックスを持っていました。笑うと見える銀歯、そして治療のたびに感じる鈍い痛み。歯医者とはそういうものだと半ば諦めていたのです。通っていたのは、昔からある近所の歯医者でした。先生は無口な職人タイプで、特に不満を言うこともできず、言われるがままに治療を受けていました。気まずいというより、それが当たり前だと思っていたのです。しかし、ある時、友人の白くて綺麗な歯を見て、思い切って彼女が通う歯医者を聞いてみました。そして、勇気を出してその新しい歯医者のドアを叩いたのです。初診の日、私は衝撃を受けました。院内はホテルのように清潔で、何より先生が私の話をとても熱心に聞いてくれたのです。レントゲン写真を見ながら、一本一本の歯の状態を丁寧に説明し、銀歯を白いセラミックに変える治療法や、痛みを極限まで抑えるための麻酔技術について、時間をかけて話してくれました。私は、今まで自分が受けてきた治療がいかに古いものだったか、そして歯科治療には多くの選択肢があることを初めて知りました。気まずさを感じてまで元の歯医者に通い続ける必要など全くなかったのです。新しい歯医者で治療を始めてから、私の悩みは嘘のように消えていきました。治療中の痛みはほとんどなく、先生はいつも「大丈夫ですか？」と声をかけてくれます。そして、長年のコンプレックスだった銀歯は、まるで本物の歯のような自然な白い歯に生まれ変わりました。今では、人前で口を開けて笑うことに何の抵抗もありません。歯医者を変えるというほんの少しの勇気が、私の日常をこんなにも明るくしてくれるとは思いもしませんでした。もし今、歯の治療で悩んでいるなら、世界はもっと広いということを知ってほしいです。