歯の治療における痛みは、多くの人が歯医者から足を遠ざける最大の原因です。しかし、痛みが苦手であることを我慢する必要は全くありません。むしろ、その気持ちを事前にしっかりと歯科医師に伝えることこそが、快適な治療を受けるための最も重要な鍵となります。どうすれば自分の不安をうまく伝え、痛みに配慮した治療をお願いできるのでしょうか。まず、予約の電話をする段階で伝えるのが効果的です。「痛みに非常に弱いので、なるべく配慮していただけると助かります」と一言添えるだけで、医院側も心の準備ができます。カルテにその情報を記載してくれる場合が多く、初診時からスムーズに話が進むでしょう。次に、初診時の問診票です。ここには、既往歴やアレルギーだけでなく、治療に対する要望を記入する欄が設けられていることがほとんどです。その欄に「痛みが苦手です」「麻酔が効きにくい体質かもしれません」などと具体的に記入しましょう。口頭で伝えるのが苦手な方でも、文章なら伝えやすいはずです。そして最も大切なのが、診察室で歯科医師と直接話す場面です。診察が始まる前に、改めて「先生、実は治療の痛みがとても怖くて」と自分の言葉で伝えてください。プロの歯科医師は、そうした患者の不安な気持ちを日常的に受け止めています。あなたの告白を迷惑に思うことは決してありません。むしろ、正直に伝えてもらうことで、より慎重なアプローチを選択できるようになります。例えば、麻酔注射の前に歯茎の感覚を麻痺させる表面麻酔のジェルを塗ってもらったり、電動麻酔器を使ってゆっくりと麻酔液を注入してもらうことで、注射自体の痛みを大幅に軽減できます。治療中も「痛かったらすぐに左手を挙げてくださいね」といった合図を決めておけば、我慢しすぎることもありません。痛みの感じ方には個人差があります。遠慮や恥ずかしさは捨てて、自分の体質や気持ちを正直に伝える勇気が、結果的に自分自身を痛みから守ることにつながるのです。
痛みに配慮して治療をしてもらう伝え方