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口内炎と全身の不調の時は「内科」も視野に
口の中にできた、痛い口内炎に加えて、体のだるさや、原因不明の発熱、あるいは、皮膚に発疹が出るなど、口の中以外の「全身」に、不調を感じている場合。それは、あなたの体が発する、より大きなSOSサインかもしれません。そんな時は、口の中という局所的な問題だけでなく、体全体を、総合的な視点から診てくれる「内科」を受診することも、重要な選択肢となります。内科が、口内炎の相談先として有効なのは、口内炎が、全身の病気の「一つの症状」として、現れている可能性があるからです。例えば、子供に多い「手足口病」は、その名の通り、口の中の口内炎だけでなく、手のひらや、足の裏にも、特徴的な水ぶくれや発疹が現れます。こうした、全身に広がるウイルス感染症の診断と、全身管理は、まさに内科(小児の場合は小児科)の専門領域です。また、大人の場合、口内炎が、体内の「栄養状態」を反映していることも、少なくありません。不規則な食生活や、無理なダイエットによって、皮膚や粘膜の健康に不可欠な、ビタミンB群や、鉄分、亜鉛などが不足すると、口内炎が、できやすく、また、治りにくくなります。内科では、必要に応じて「血液検査」を行うことで、こうした栄養素の欠乏や、貧血の有無を、客観的なデータとして把握し、適切な食事指導や、ビタミン剤の処方を行ってくれます。さらに、より深刻なケースとして、口内炎が、全身性の「自己免疫疾患」の、入り口症状である可能性も、考えられます。代表的なのが、「ベーチェット病」です。これは、アフタ性の口内炎を、何度も、何度も繰り返すのが特徴で、それに加えて、目のぶどう膜炎や、皮膚症状、外陰部の潰瘍などを伴います。また、「クローン病」などの炎症性腸疾患でも、口内炎が、初期症状として現れることがあります。これらの病気は、専門的な治療が必要であり、その診断の第一歩として、全身を診る内科の役割は、非常に大きいのです。口内炎が、単なる口の中だけの問題ではない。何か、体全体がおかしい。そう感じたら、それは、あなたの直感が正しいのかもしれません。一度、内科で、全身的なチェックアップを受けることが、隠れた病気の早期発見と、安心へと繋がる道筋となるでしょう。